由    緒

 明治9年、明治天皇が東北地方を巡幸した折、南北朝時代に南朝方に忠節を尽くした遠野南部氏先祖の事績をお聞きになる。また、南部家の宝物や文章をご覧になり、保存料を賜ったことが創建のきっかけとなる。そのことを知った地元の有志が南部氏4代から8代を祀る神社の建立を明治14年に計画する。その翌年に、鍋倉神社として創立される。

     御利益

   勝負事  交通安全  商売繁盛  地域安泰

  御 祭 神

 <遠野南部氏及び祭神の功績>

 

 南部氏は甲斐源氏加賀美次郎遠光の三男光行に始まる。光行は甲斐国巨摩郡南部(現南部町)に住んだので南部三郎光行と呼ばれた。光行の三男実長が遠野南部氏の祖である。

 

  南北朝時代(1331)南朝方に与し八代に亘り世々忠誠を尽くす。

 

1代 実長命、甲州南部郷に在り、日蓮上人に深く帰依し所領身延山一円を寄進、現在の身延山(本山久遠寺)を開基した。

 

2代 実継命、元弘元年(1331)北条倒幕の議に連なり捕えられ、京都六条河原の露と消える。

 

3代 長継命、守邦親王の命を受け奥州の叛徒を討つ、戦功大なりという。

 

4代 師行命、奥州国代となる。八戸根城を守る。延元2年(1337)国司北畠顕家に従い京都に進み各地に戦功あるも、ついに泉州石津に残る家臣百八名と共に戦死を遂ぐ。

 

5代 政長命、元弘3年(1333)護良親王の命を奉じ鎌倉攻に参加し殊勲を樹てる。

 

6代 信政命、建武2年(1335)父政長に代って北畠顕家の西上軍と行を共にし、賊将足利尊氏を遠く九州に敗走させ、後醍 醐天皇より感謝状を賜る。

 

7代 信光命、正平年間(1346~1370)奥州討伐に当たり戦功あり、後村上天より綸旨を賜る。

 

8代 政光命、南北合一するも、これに屈服せず甲州の所領を捨て、独り祖父の意を継ぎ天戴の地、八戸に移り孤忠を尽くす。

 

 

  戦国期に入ると八戸南部氏は当主が若くして夭死することが多く急速に衰微し、代わって三戸系南部氏が台頭した。十八代 政栄の時、天正18年(1590)豊臣秀吉の奥州仕置によって近世南部藩の創設者三戸南部信直の付庸とされ、次いで寛永4年 (1627)二十二代直義(直栄)の時、藩主利直の命のよって遠野に移封となり明治維新におよんでいる。この直義以降を遠野南部氏という。


 <遠野市における南部氏の歴史>

 八戸根城の第22代城主・南部直義が、盛岡藩初代城主の南部利直に遠野・横田城への移封を命じられたことから始まります。

 直義は移封を辞退しましたが、盛岡南部家の背後には徳川幕府があり、また八戸根城の命脈を守ろうとする第21代の清心尼の意向もあり、国替えの指示に従いました。
 南部直義の国替えは、寛永4年(1627)3月9日に根城を出発し、諸士・寺院・同心・その他大工・木挽・畳刺等の職人が従い、3月12日遠野に到着た。遠野南部氏の新しい歴史が始まり、横田城下は荒廃していたが進営事業を行い、町内の輪郭も整え、国替えから100年後には町家数も倍以上となった。「一六市日」の六度市は「入荷千駄出 荷千駄」の賑わいを見せ、商売は繁盛したのでした。

 

  社    歴

 

・明治15年4月19日 

  鍋倉神社 創立

  南部五公(遠野南部氏4代~8代)を祀る

・明治19年9月18日 鍋倉神社 建立

 

・昭和15年 別格官幣社への昇格運動が起こる

・昭和19年3月11日 

         御祭神と社名を合わせるため「南部神社」と改称

・昭和20年 終戦により、昇格がとりやめとなる

・昭和23年 アイオン台風により社殿流出

・昭和24年 現在地に建立

・昭和34年5月6日

  南部三公(遠野南部氏初代~3代)を合祀

  南部五公と合わせて「勤王八世」と称す

 

・平成21年5月3日 東北一 遠野南部七福神 建立

・平成23年3月11日

  東日本大震災 社殿の損傷が酷い状態となる

・平成24年10月30日

  社殿復興工事完成(本殿・幣殿・拝殿)

・平成26年5月4日

  例祭に併せて神社創立130周年記念大祭を斎行

・平成29年9月 拝殿瓦屋根葺き替え工事完成

・平成30年3月 拝殿格天井工事完成

 

・令和元年11月23日

  新嘗祭に併せて御神前幕奉納奉告祭を斎行 

  役神楽・上宮守神楽保存会の新幕披露及び舞納め

 


上宮守神楽
上宮守神楽保存会(例大祭)

  祭 事

  

  1月 1日 歳旦祭(午前10時30分) 

  1月第2日曜日 墨付けどんと祭(午後3時)

  5月 3日 神輿渡御(正午)

         宵宮祭(午後6時)

  5月 4日 例  祭(午前11時)

         芸能共演会(神楽・しし踊り 数団体)

  7月  一条稲荷神社例祭(境内社)

  9月  遠野南部七福神例祭(境内鎮座) 

 11月23日 新嘗祭(午前11時)

 12月31日 除夜祭(午後11時45分)

 

  <役神楽・上宮守神楽奉納>

    ・墨付けどんと祭(舞初め)

    ・例祭(芸能共演会)

    ・新嘗祭(舞納め)

 ※祭典日等、変更となる可能性がございますことをご了承下さい